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想い人
第3章 それぞれの想い人
午前中のうちに営業部へ渡して欲しいと言われた書類を慌てて届けた帰り、透也に呼び止められた。

「美空、今夜大丈夫?」

「うん……」

大好きな透也の笑顔が真っ直ぐに見れない。

そんな私を気にする様子もなく、透也が言葉を続ける。

「美空の好きなピザがおかわり自由の店、予約しといた」


─────え⁉︎

「ホント⁉︎ やったぁ‼︎ 」

ピザおかわり自由っ!
その言葉にテンション鰻登り。

ガバッと顔を上げて満面の笑みを浮かべる私。


「ははっ、子供みたいだな」

透也のその言葉がちょっと引っかかるけど、もう気にしない!


嬉しいっ‼︎
覚えててくれたんだ……。

私がピザが大好きだって事。

それから、今夜の約束も……。


「透也大好き!」
私は透也に飛び着いてスリスリとその胸に頬を寄せる。

「ピザよりも?」
私の髪を撫でながら、透也が優しく微笑む。

「うん、ピザよりも!」

当たり前だよっ。

透也、大好き‼︎


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