パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 それぞれの想い人

「あの2人、結婚するらしいよ」

「え？ 岡安さんて高梨さんと付き合ってたんじゃないの？」

「あー…蕾さんがいびられないようにカモフラージュ？」

チラチラと私を見ながら、女子社員はどこか楽しげに話している。
透也が蕾さんとその両親と会社を出て行けば、容赦ない言葉が私を襲った。


最悪なタイミングで、4人が会社を出て行く所を見てしまった私。

透也の腕に自身の腕を絡める蕾さん。
それを諌める透也の表情は優しかった。

幸せそうな2人の姿。
誰が見たってお似合い。
惚れ惚れする程に素敵なカップルだった。


「美空、大丈夫か？」

「航先輩……」

────航先輩め、タイミング良過ぎだっ！

必死に泣くのを堪えているのに……。
こんな風に優しく抱きしめられたら、航先輩に惚れちゃいそうだよ。