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想い人
第3章 それぞれの想い人
『今夜空いてる? 久しぶりに遊ぼ?』
デスクへ戻り、いろんな友達にメールする。

「……全滅……」

友達は多い方だと思う。
なのに、全滅‼︎
皆、傷心の友より男優先なのねっ。


「美空……」
涙目の私を覗き込む彩華先輩。

「今からでも遅くないと思うよ?」
チラリと透也を見ながら彩華先輩が言った。

恐る恐る顔を上げて透也を見れば、バチッと目が合う。

慌てて目を逸らし、パソコンの陰に隠れた。


「……美空の取り柄は”開き直りの早さ”と”元気の良さ”だよ?」

「まるで子供ですね……」

「美空……」

彩華先輩がため息を吐いて、私の頭を撫でてくれる。


─────最近の私は逃げ過ぎだな。
ふと思う。

ちゃんと向き合わなきゃいけない時期が来てるんだ。


こっそりとパソコンの陰から透也を覗く。

─────うん、カッコイイ。

手放したくない。
ずっと傍にいたいよ。

でも……
大好きだから、透也には幸せに笑ってて欲しい。

”決断”しなきゃいけないんだ……。


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