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お前の奥さん、やられちゃうぞ!
第1章 お前の奥さん、やられちゃうぞ!

「なに、三角のヤツか。
あいつ、エライ悪かコツやりよんね」
古瀬は九州男児だ。怒ったり興奮すると九州弁が出る。

「よし、すぐにオマエを迎えに行く。
〇〇通りの角で待っちょけ。
バイクでいくけん。
オマエも一緒に乗って、行動開始だ。」

オレははじけるように、家を出た。
通りに立って、今か今かと古瀬のバイクを待つ。
待つ時間が、もどかしい。

古瀬はすぐに中型のスクーターで来た。
オレを見つけると大きくUターンして、荷台のボックスからヘルメットを取り出し、オレに投げてよこした。
後ろに乗れ…と言う。
ヘルメットにはインカムが付いていて、二人乗りをしながら、話ができる。

ますは都心に向かう。
オレは、美樹がいるホテルを探さなければならない。
古瀬によると、大きなホテル、交通のアクセスや千崎と三角が不動産業であることから〇〇区の〇〇あたりと予想する。

古瀬によると、警察はあてにならないという。
「殺人事件でも無ければ、民事不介入が大原則だ」

携帯電話の発信源も無理だという。
「確かにセルラー方式と言って、どこに携帯電話があるかシステムは把握している。常に場所を特定し、そのエリアの基地局だけが携帯電話を呼び出す。日本全国の基地局が同時に電話を呼び出すワケでは無い。そんなムダなことはしていない。」
「だけどな、今の取り決めでは警察さえも情報開示させるのに時間がかかっている。将来は、警察とケータイ会社がリアルタイムで監視するようになるだろうけど(この予言は当たりました)」
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