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リヴァイ兵長は選べない人
第12章 そして彼が選ぶ時
マッチを渡そうと手を伸ばすと、エルヴィンはリヴァイの頬に手をあてて自分に向かせた。
…引き寄せられ、そっと顔が接近する。
煙草の先と先がゆっくりと接触する。
伏し目がちにして、エルヴィンはスーと息を吸い込んだ。
それに合わせてリヴァイも息を吸い込むと赤々と先端は発光する。
ジリジリと小さな音を立てながら、エルヴィンの煙草に火が移った。
二人の煙が重なりあって天井へと昇りつめて行く。
じっとリヴァイがエルヴィンの仕草を見ていると、ふとエルヴィンが視線を上げてきた。
思わず心臓がドキっとしていまい、エルヴィンから離れる。

「これ貰うぞ」
「ああ、好きなだけ飲むといい」

リヴァイはグラスを手に取り、血のように真っ赤な色のワインを飲み干した。
落ちそうになっている灰を灰皿にトントンと落として再び煙草を咥える。
エルヴィンもグラスを手に取りゆっくりとワインを口に流し込んでいた。
飲み干してからグラスをテーブルに置き、煙草の煙をゆっくりと吸って吐くとエルヴィンは言った。

「酒と煙草、たまにはいいもんだな」
「ああ、たまには悪かねーな…」

リヴァイは灰皿に煙草を押し付け火を消すとエルヴィンの方を向いた。
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