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リヴァイ兵長は選べない人
第12章 そして彼が選ぶ時
「俺は…あれからお前と話をちゃんとしてなかったから、話をしたかった」
「リヴァイ?」

エルヴィンも煙草の火を消すとリヴァイの方へ向き合った。
急な切り出しにエルヴィン自身も動揺していた。
あの日以来ずっと話をしたかったのはエルヴィンも同じだったからだ。

「こないだ、俺はお前に誰も選べないと言った。でもあれから気が付いた事があるんだ」
「何に気が付いたんだ…?」
「その、なんつーか…」

どう言っていいのかわからず、リヴァイは言葉に詰まってしまった。
視線が定まらず、自分自身がもどかしくてたまらない。

「俺に言いにくい事なのか?」
「いや、そういう訳じゃないんだ、つまり…」

リヴァイはテーブルに視線を落とした。エルヴィンと目を合わせていられない。
胸がもやもやして、どう言葉にしていいか分からないのだ。
だが思い切って素直に気持ちを口に出した。

「その、俺はどうやら恋というヤツをしているらしいんだ」

予想もしなかった一言にエルヴィンは心がざわついてきた。
身体の関係を持っていた誰かには違いない。
その相手は誰だ?ミケか?リヴァイが一番心を許していたのはミケに見えた。
知りたいような、知りたくないような、複雑な気持ちに胸が締め付けられる。
リヴァイは変わらず俯いたままだ。
振り絞るように、エルヴィンはリヴァイに言った。

「そ、その相手は一体誰なんだ?」

するとガバっとリヴァイは顔を上げて突然エルヴィンの胸倉を掴んできた。

「バ…バカかてめぇは、てめぇ以外に誰がいるって言うんだ」
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