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茅子(かやこ)の恋
第3章 ラブホ
ひとしきり自分の身体を見つめると茅子はベッドに戻った。茅子は熟睡する翔太に添い寝するとその横顔を見つめた。そして翔太と出会ったころを思い出した。

「吉田翔太です。翔太って呼んでください!」
入職式で初めて出会い、翔太から挨拶された。167センチの茅子より小柄で少しぽっちゃりして見えた。今どきの短髪に丸顔、つぶらな瞳のちょっと可愛い顔が印象に残った。茅子は誰かに似ていると思ったが、それが誰かは思い出せなかった。

「小林さん、○○華也子に似てない?」
その日の歓迎会で施設長が茅子に向かって言った。ずっと若いお天気キャスターの名前に茅子は笑顔で首を振り、やんわりと否定した。茅子と翔太たち新人職員のテーブルを施設長はじめ幹部や主だった職員が囲んでいた。

「えー似てるよ、背の高いナイスボディも」
少し酔っていた施設長がセクハラまがいの言葉を被せた。昔別れた男にも同じことを言われたのを思い出し、茅子は少しだけ顔が曇った。

「たぶん…ボブの髪が似てるだけじゃないですか?」
茅子は話題をかわそうとしたが、施設長はまた口を開きかけた。

「僕、○○将太に似てませんか?」
別の新人と話していたはずの翔太が、急に会話に割り込んできた。空気を読んだ回りの職員も口を開き、話題が翔太に移った。いつの間にか翔太を中心に笑いの輪ができていた。

「吉田君、さっきはありがとう」
歓迎会が終わり茅子は翔太にお礼を言った。居酒屋の玄関でふたりは靴に履きかえていた。

「容姿弄りはダメっすよね」
茶目っ気のある笑顔で翔太が答えた。茅子は親近感を覚える笑顔につられ、つい軽口を叩いた。

「吉田君、確かに○○将太だよ」
「はい、小太りの○○将太です!」
茅子は思わず笑ってしまった。翔太は拗ねたように口を開いた。

「そこ、否定するとこですよ!」
将太は少し口を尖らせたがその目は笑っていた。幹事が声を張り上げ二次会に行く者以外解散になった。

「でも小林さん、○○華也子に激似ですね」
「あれ、容姿弄りはダメじゃなかった?」
茅子は笑いながら意地悪に答えた。他の同期職員と一緒に駅に向かっていたが、いつの間にかふたり並んで歩いていた。

「美人だからいいじゃないですか?」
「吉田君、世渡り上手いね」
ふたりは駅までの道すがら同じ高さの目線で話した。そしてラインを交換するとふたりは反対方向の電車で帰った。
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