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茅子(かやこ)の恋
第4章 母の優しさ
母とふたりで暮らすマンションは2LDKの小さな部屋だった。航にとって物心ついたころからずっと暮らす、母との思い出だらけの部屋だ。小さなころ航の父もよく遊びに来てくれた。航はずっとお父さんは別々に暮らす人だと思っていた。小学校に入り友達との会話で初めて両親が離婚していることに気が付いた。しかし離婚していても母の相手は父だけだと航は思っていた。

父は航が小学校高学年に上がるころからマンションに来なくなった。誕生日やクリスマスなどイベントにはプレゼントが届いたが父の姿はなかった。航の疑問にお父さんは仕事が忙しくなったと母に言われたが、いつの間にかそんな質問もしなくなった。航も少しずつ大人になっていた。

それでも母はいつも明るく優しい、航の自慢だった。看護師の忙しい日常でも入学式や卒業式、授業参観は必ず来てくれた。19才で航を産んだ母は同級生の母親に比べ若く美しかった。母の姿を見て同級生や担任が驚き、教室にざわめきが起きることが航のひそかな誇りになっていた。そして夏休みは必ず、母は航を旅行に連れて行った。父も姿を見せなくなるまで一緒だった。父と母はいつも楽しそうで、それを見て航も嬉しかった。父が姿を見せなくなっても夏の旅行は続いていた。母は父の分まで航を楽しませてくれた。

しかし航が高校に入ったタイミングで母は病院から介護施設に転職した。そして航も部活と塾で夏休みはほとんどなくなった。母子とも忙しく夏の旅行は自然消滅した。

そのころ航は初めて彼女ができた。高校の同級生で同じ部活で仲良くなった。しかし2年生の夏休み直前、彼女は先輩と仲良くなった。航は初めての失恋に落ち込み部活も辞めてしまった。塾は行っていたが夏休みの航はほとんど部屋に籠っていた。
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