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茅子(かやこ)の恋
第10章 旅立ち

「元気だった?」
「うん、元気!小林さんは?」
「うん、元気に頑張ってるよ」
目の前に現れた翔太は、かなり引き締まって見えた。ほぼ2年ぶりに再会したふたりは、居酒屋で食事をしながら話をしていた。結局翔太も茅子の退職の半年後、施設を辞め念願の看護専門学校に入学していた。2年生になった翔太は学校の研修旅行で、茅子の住む街の近くに来ていた。
「翔太くん、23だっけ?」
「はい、もうおっさんです」
「じゃあ、あたしはおばあさんだね」
ふたりは同僚時代と変わらず、冗談を交わしていた。しかし、あれだけ激しい身体の関係を持っていたことをお互い忘れたように、単なる元同僚のふりをしていた。
翔太との関係は確かに3年前に終わっていた。しかし茅子はその終わり方に対し、翔太に負い目を感じていた。茅子が退職するときも、翔太は素直に祝ってくれた。その負い目にほんの時々、茅子は翔太にラインをしていた。翔太は茅子との関係が、自然消滅したと思っていた。そして新しい恋人もすぐにでき、茅子に対して嫌な思いは持っていなかった。ときどき来る茅子のラインに、翔太は素直に返信していた。
「うん、元気!小林さんは?」
「うん、元気に頑張ってるよ」
目の前に現れた翔太は、かなり引き締まって見えた。ほぼ2年ぶりに再会したふたりは、居酒屋で食事をしながら話をしていた。結局翔太も茅子の退職の半年後、施設を辞め念願の看護専門学校に入学していた。2年生になった翔太は学校の研修旅行で、茅子の住む街の近くに来ていた。
「翔太くん、23だっけ?」
「はい、もうおっさんです」
「じゃあ、あたしはおばあさんだね」
ふたりは同僚時代と変わらず、冗談を交わしていた。しかし、あれだけ激しい身体の関係を持っていたことをお互い忘れたように、単なる元同僚のふりをしていた。
翔太との関係は確かに3年前に終わっていた。しかし茅子はその終わり方に対し、翔太に負い目を感じていた。茅子が退職するときも、翔太は素直に祝ってくれた。その負い目にほんの時々、茅子は翔太にラインをしていた。翔太は茅子との関係が、自然消滅したと思っていた。そして新しい恋人もすぐにでき、茅子に対して嫌な思いは持っていなかった。ときどき来る茅子のラインに、翔太は素直に返信していた。

