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茅子(かやこ)の恋
第10章 旅立ち
「小林くん、飲み会いかないの?」
「うん、バイトなんで…」
「そうか…残念!」
大学4年生になった4月の終わり、その日最後の講義が終わった教室の外で、航は同級生の山崎さんに声を掛けられた。航は手を振って挨拶をすると、講義棟を階段で駆け下りバイト先に急いだ。

山崎結衣さんは地方からやってきて、大学の近くでアパートを借りていた。実習などグループ分けが航と同じで、ときどき言葉を交わしていた。その夜、本格的に実習が始まる前の決起集会として、同級生たちが飲み会を企画していた。しかし航はどうしても外せない学習塾のバイトがあり、残念ながら欠席していた。

『おすそ分け(代理送信です!)』
山崎さんからそんなラインが届いていたが、航がメッセージに気が付いたのは次の朝だった。それはクラスラインではなく、初めて航個人宛てのラインだった。航は山崎さんのラインの動画をタップした。

それは飲み会で山崎さんが撮ってくれた、友人たちの欠席した航へのメッセージだった。看護学科の定めとは言え、女子が圧倒的に多いクラスの中で、男子は影が薄かった。しかしそのぶん、5人しかいない男子同士の結束は固かった。酔った勢いとはいえ、航を除く4人の熱いメッセージに航は心が温かくなった。

航が時間を確認すると、もう10時を回っていた。大型連休に入った今日も、午後から学習塾のバイトが入っていた。まだ時間があるのを確認して、航はすぐに山崎さんにお礼のラインを返した。すぐに既読が付くとお礼のお礼に、可愛いスタンプが返ってきた。

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