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茅子(かやこ)の恋
第10章 旅立ち

前期試験が終わり夏休みに入ると、航はアルバイトに精を出していた。母から生活費は送られていたが、できるだけお金を貯めたかった。それは大学を卒業後、留学を目指していたからだ。そんなある日、山崎さんから連絡があった。
「映画、すごくよかった!」
「もう一回見たいね!」
「あたしも見たい!!」
ずっとロングランになっていた話題の映画を、一緒に見ないかとの誘いだった。航も気になっていた映画で、山崎さんの誘いを断る理由がなかった。
「…小林君、彼女いるの?」
「いないよ…」
「よかった!いたら彼女に怒られるって、ちょっとビビってた!!」
山崎さんの言葉に、航は高校時代の亜紀ちゃんを思い出した。ふたりはその後ご飯を食べ、もう一度同じ映画を見る約束をした。
航はマンションに戻ると、久しぶりに母に電話した。しかし母のスマホは電源が切れているようで、繋がらなかった。夜勤かな、そう思った航は母にラインを送った。航が眠りに落ちるまで、ラインに既読が付くことはなかった。
「映画、すごくよかった!」
「もう一回見たいね!」
「あたしも見たい!!」
ずっとロングランになっていた話題の映画を、一緒に見ないかとの誘いだった。航も気になっていた映画で、山崎さんの誘いを断る理由がなかった。
「…小林君、彼女いるの?」
「いないよ…」
「よかった!いたら彼女に怒られるって、ちょっとビビってた!!」
山崎さんの言葉に、航は高校時代の亜紀ちゃんを思い出した。ふたりはその後ご飯を食べ、もう一度同じ映画を見る約束をした。
航はマンションに戻ると、久しぶりに母に電話した。しかし母のスマホは電源が切れているようで、繋がらなかった。夜勤かな、そう思った航は母にラインを送った。航が眠りに落ちるまで、ラインに既読が付くことはなかった。

