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茅子(かやこ)の恋
第11章 目覚め
「お邪魔します…」
「山崎さん、誰もいないよ!」
9月の終わり、航は初めてマンションに女性を連れてきた。夏休みの間、ふたりの距離はずずっと縮まっていた。映画好きを共通点として、写真もお互いに興味があった。趣味を通じて、ふたりの仲は深まっていた。航が一緒に夕食を作ろうと誘うと、山崎さんはすぐに賛成してくれた。22歳のふたりは、初々しいカップルになりつつあった。

「えー、きれいに掃除してる!」
「そう?たぶん母がいたら、汚いって怒られてるけど」
笑いながら答える航に、山崎さんも屈託のない笑顔を向けた。小さなアパートにひとりで暮らす山崎さんは、航と同じ母子家庭であり母親は看護師だった。デートを重ねるなか、似たような境遇も惹かれあう理由になった。そして山崎さんは奨学金とアルバイトで、なんとか生活が成り立っていた。

「ふう、ごちそうさまでした!」
「お粗末さまでした…」
「うん、やばいくらい美味しかった!」
山崎さんは満面の笑みで航を見ていた。その日初めて、航は山崎さんの手料理を食べた。母の料理と言うより、航は祖母の味を思い出していた。

「おばあちゃんの味、思い出した」
「…それって、褒め言葉?」
「もちろん!オレ、おばあちゃん子だったから…」
航が真面目な顔で答えると、山崎さんも姿勢を正した。そしてテーブル越しに顔を近づけると、山崎さんは航にキスをした。

「嬉しい…私もおばあちゃん子だったから」
「…山崎さん、今日、時間大丈夫?」
「うん、大丈夫…今夜、泊めてもらえる?」
今度は航が顔を近づけ、山崎さんにキスした。ふたりは互いに微笑み合うと、どちらともなく立ち上がり、食べたお皿を片付け始めた。シンクに並んで洗い物を済ますと、キッチンとテーブルもきれいに片付けた。
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