この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
茅子(かやこ)の恋
第11章 目覚め

「お風呂、ありがとうございました」
ショートの髪を濡らしたまま、山崎さんがリビングに現れた。シンプルな白いコットンの半袖パジャマは、山崎さんによく似合っていた。今まで気にしていなかったが、よく見ると山崎さんも背が高かった。母のパジャマは山崎さんにぴったりだった。
「いつもの癖で、頭洗っちゃった!」
「ドライヤー、あるよ」
「ううん、大丈夫…いつも自然乾燥だもん!」
快活に笑う山崎さんに、航は思わずキスをしていた。抱きしめた山崎さんの胸が、航の胸に当たっていた。ツンとした突起と柔らかさが、パジャマとTシャツの布越しに伝わっていた。
「航くんもシャワーしてきて…」
「うん、結衣ちゃん…いってくる」
「結衣、待ってるね…」
航は山崎さんが自身を名前で呼ぶのを初めて聞いた。お互いを意識してまだ間もないが、山崎さん改め結衣ちゃんは、航には冷静で生まれながらの看護師に見えていた。しかし航の腕の中で、結衣ちゃんは単なる可愛い女の子だった。外と内でのギャップの大きさは、目の前にパジャマの持ち主によく似ていた。航はまた、結衣ちゃんと母を重ねていた。
「ゴメン、勝手に食器棚を漁っちゃった」
航はシャワーを終えキッチンに戻ると、途中で放っていたコーヒーの準備ができていた。コーヒーの香りに、航はケーキと母を思い出した。
「また歯を磨かなきゃ、だね」
「うん…でもこのチーズケーキ、美味しい!」
ふたつ買ってきたケーキは、マンション1階の馴染みのケーキ屋のものだ。店のおばさんは航の顔を見ると久しぶり、と声を掛けてくれた。そしていつものケーキを注文すると、お母さん帰って来た?と笑顔で聞いてきた。航は適当に返事をするとお金を払い、お礼を言って部屋に戻った。母の好物のチーズケーキを、結衣ちゃんが美味しそうに頬張っていた。
ショートの髪を濡らしたまま、山崎さんがリビングに現れた。シンプルな白いコットンの半袖パジャマは、山崎さんによく似合っていた。今まで気にしていなかったが、よく見ると山崎さんも背が高かった。母のパジャマは山崎さんにぴったりだった。
「いつもの癖で、頭洗っちゃった!」
「ドライヤー、あるよ」
「ううん、大丈夫…いつも自然乾燥だもん!」
快活に笑う山崎さんに、航は思わずキスをしていた。抱きしめた山崎さんの胸が、航の胸に当たっていた。ツンとした突起と柔らかさが、パジャマとTシャツの布越しに伝わっていた。
「航くんもシャワーしてきて…」
「うん、結衣ちゃん…いってくる」
「結衣、待ってるね…」
航は山崎さんが自身を名前で呼ぶのを初めて聞いた。お互いを意識してまだ間もないが、山崎さん改め結衣ちゃんは、航には冷静で生まれながらの看護師に見えていた。しかし航の腕の中で、結衣ちゃんは単なる可愛い女の子だった。外と内でのギャップの大きさは、目の前にパジャマの持ち主によく似ていた。航はまた、結衣ちゃんと母を重ねていた。
「ゴメン、勝手に食器棚を漁っちゃった」
航はシャワーを終えキッチンに戻ると、途中で放っていたコーヒーの準備ができていた。コーヒーの香りに、航はケーキと母を思い出した。
「また歯を磨かなきゃ、だね」
「うん…でもこのチーズケーキ、美味しい!」
ふたつ買ってきたケーキは、マンション1階の馴染みのケーキ屋のものだ。店のおばさんは航の顔を見ると久しぶり、と声を掛けてくれた。そしていつものケーキを注文すると、お母さん帰って来た?と笑顔で聞いてきた。航は適当に返事をするとお金を払い、お礼を言って部屋に戻った。母の好物のチーズケーキを、結衣ちゃんが美味しそうに頬張っていた。

