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茅子(かやこ)の恋
第12章 葛藤
「航くんの隣り…この人が、お母さん?」
「…うん」
それはグアムで撮った、唯一の写真だった。帰りの空港で、一枚も写真を撮らなかったことに母が気付いた。それで慌てて送迎車ドライバーにお願いし、空港ロビーで撮ってもらった写真だ。

「なんだか…恋人同士みたい」
結衣ちゃんは写真を持ったまま、ベッドに戻った。航の隣に寝転ぶと、結衣ちゃんは写真を見ながら話を続けた。

「美人のお母さん…」
「うん、自慢の母だよ…」
結衣ちゃんは上目遣いで航を見ていた。そしてベッドランプの横に、写真立てを丁寧に置いた。結衣ちゃんは航に抱きつくと、胸の中で口を開いた。

「結衣の家、母子家庭だから…」
結衣ちゃんは、お父さんを全く知らず育った。ひとつ上のお姉さんと、お母さんの3人で暮らしてきた。看護師のお母さんが女手ひとりで娘を育て上げたが、経済的に厳しい家庭だった。

「だから、仕送りはほとんどないし…」
やっと卒業までの学費と生活費のめどが立ったのは、結衣ちゃんが4年生になった頃だった。

「だから…ちょっとだけ、学生生活をエンジョイしたくて」
「…オレでよかったの?」
「うん…入学したころから、小林航くんに惹かれてた」
航はその頃、母と関係を続けていた。しかし勉強とアルバイトは真面目に続けていた。

「航くん、何かみんなと違ってた…」
「…その頃、声を掛けて欲しかった」
「ゴメンね…結衣、バイトが忙しかった」
悲しそうな表情で、結衣ちゃんが言葉を続けた。航はもう、すべて察し始めていた。

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