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茅子(かやこ)の恋
第12章 葛藤
「…みんな、一生懸命生きてるから」
「うん…だから結衣、バージンじゃない」
航は結衣ちゃんの口をキスで塞いだ。オレだって…思わす航はそう言いかけた。

「ねえ、よく言うじゃん」
「…何が?」
「女は上書き、男は別ファイル保存って」
過去をどう捉えるか、それは恋愛に対する男女の考え方だった。

「オレで上書きして欲しい」
「じゃあ、結衣は別保存?」
「いや、結衣ちゃんで上書きする」
涙ぐみながら結衣ちゃんは頷いた。航は母の写真を裏返すと、結衣ちゃんに覆い被さった。

「航って、呼んでいい?」
「うん、結衣って呼ぶよ…」
「さっきは、お母さんって呼ばれたよ…」
航はまた、結衣のクチビルをキスで塞いだ。二回目のセックスは、深夜3時に始まった。

「ちょっと待って、ゴム…」
「いらない…生で航を感じたい
「できちゃうよ…」
結衣は首を振ると、航の耳元で囁いた。

「今夜は絶対大丈夫…妊娠の仕組み、講義で習ったよね」
「…100パーセントはないよ」
「大丈夫…信じて!」
結衣の切実なまなざしに、航は頷いた。結衣となら…航はそう思い始めた。

「結衣のバージン、貰って…」
「うん、心して貰う…」
「結衣、汚れてるけど…生と中出しだけは、誰にもさせてない」
航は結衣の脚を広げると、何も着けずに中に入った。その瞬間、結衣は小さな声を上げた。
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