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茅子(かやこ)の恋
第12章 葛藤

「オレは…結衣なら一緒に歩けると思ってる」
「…もしかして、プロポーズ?」
「そう思ってもらっていいよ!」
結衣は満面の笑みだが、目に涙が滲んでいた。航は結衣の表情に、一瞬戸惑った。
「嬉しい!けど、まだ早い!!」
泣き笑いの顔で結衣は航に抱きついた。航はどう答えてよいかわからず、シーツの中で結衣を抱き返した。
「わたしたち…早く、大人になろっ!」
「大人…?」
「うん、早く一人前になって…」
結衣はシーツを跳ね除け、身体を起こした。ベッドランプに照らされた結衣の顔は、涙でクシャクシャになっていた。結衣は泣き顔を隠すように枕に顔を埋めると、航に頬を寄せた。
「一人前になって、結衣を迎えに来て…」
「…うん、迎えに行く」
「ずっと待ってるから…」
耳元で囁くと、結衣は航の頬にキスをした。そして結衣はベッドから下りると、すぐ脇にあるチェストの前に立った。写真立てを手に取ると、結衣はまたベッドに上がった。
「結衣の…ライバル!」
結衣は悪戯な表情で、写真と自分の顔を並べて見せた。グアムの母は髪が長く、今と雰囲気がすこし違っていたが、その表情はどこか結衣に似ていた。
「結衣…引かない?」
「…お母さんのこと?」
航はすこし不安な表情で頷いた。慈母の表情で、結衣は航に答えた。
「うん、引かないよ」
「ほんと?」
「そんなに尊敬されるお母さん、羨ましい…」
結衣は本心からそう思った。そしていつか、航を自分だけのものにすると決めた。
「…もしかして、プロポーズ?」
「そう思ってもらっていいよ!」
結衣は満面の笑みだが、目に涙が滲んでいた。航は結衣の表情に、一瞬戸惑った。
「嬉しい!けど、まだ早い!!」
泣き笑いの顔で結衣は航に抱きついた。航はどう答えてよいかわからず、シーツの中で結衣を抱き返した。
「わたしたち…早く、大人になろっ!」
「大人…?」
「うん、早く一人前になって…」
結衣はシーツを跳ね除け、身体を起こした。ベッドランプに照らされた結衣の顔は、涙でクシャクシャになっていた。結衣は泣き顔を隠すように枕に顔を埋めると、航に頬を寄せた。
「一人前になって、結衣を迎えに来て…」
「…うん、迎えに行く」
「ずっと待ってるから…」
耳元で囁くと、結衣は航の頬にキスをした。そして結衣はベッドから下りると、すぐ脇にあるチェストの前に立った。写真立てを手に取ると、結衣はまたベッドに上がった。
「結衣の…ライバル!」
結衣は悪戯な表情で、写真と自分の顔を並べて見せた。グアムの母は髪が長く、今と雰囲気がすこし違っていたが、その表情はどこか結衣に似ていた。
「結衣…引かない?」
「…お母さんのこと?」
航はすこし不安な表情で頷いた。慈母の表情で、結衣は航に答えた。
「うん、引かないよ」
「ほんと?」
「そんなに尊敬されるお母さん、羨ましい…」
結衣は本心からそう思った。そしていつか、航を自分だけのものにすると決めた。

