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甘く清らかな誓い
第1章 第1章



「―――っ!?」


碧眼の双眸がゆっくり開く。

目が覚めると薄暗い部屋の中で寝ていた。


見慣れない天井……私の部屋じゃない。

部屋は和室。
広くはないが調度品などは少なく、さっぱりとした部屋だ。

布団も紙みたいにペラペラと薄い。

…が、しかし、なぜか温い。
身体が動かず、少し苦しい。
拘束されている…?いや、違う。

何か温かいものに包まれ、守られているような感じだ。

胸のあたりがくすぐったい感触。

何かと思い胸のほうを見ると、くせっ毛のあるもふもふの黒髪の男。

胸の中で見知らぬ男が気持ち良さそうに寝ていた。

「…え?この人……誰!?」

驚いて薄い掛け布団を捲る。
男は浴衣姿だった。
そして自分も浴衣姿。

あれ…私の制服とカバンは?
いやっ、それよりもまずはっ!?

金色の髪をかき揚げ、抱きついている男を見る。

見ると男の顔は殴られた跡や傷があり、袖が捲れて見える腕には痣がいくつもある。見ていて痛々しかった。

そして、震えるような甘い血の香り…。


「・・・・・・・」

騒ぐ気になれず、布団を掛け直して男を抱きしめる。


「ちょっとくらいなら…いいよね?」

甘く呟くと、莉子は男の額にある傷口に唇を近づけ優しくキスをする。


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」


今まで味わった事のない甘美な味に、莉子の身体は熱くなり震え上がる。

「ヤバい……変な気持ちになりそう……っ!」


もふもふの黒髪を優しく撫でながら、莉子は身体が疼くのを我慢した。


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