この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
少女監禁 罠に堕ちる女
第8章 宗一の旅立ち
台所の後片づけをしなくてはいけないが
どうにも疲れてしまってそれどころではない。
シャワーはラブホテルで済ませてきたし
後は寝るだけなのだが
少しばかり小腹が減ってきた。
冷凍ピザをレンジで加熱しながら
冷蔵庫からビールを取り出して
缶のまま飲み始める。
スマホをポケットから取り出すと
娘の聡子にLINEでメールを送信する。
そこでふと、先日のLINEで帰りが遅くなると
送信していたのを思い出した。
しかし、健太郎のLINEメールは
未だに既読になっていなかった。
『まったく困った娘だ…
一度、ガツンと叱らなければ…』
そうこうするうちに、
レンジから『チン』という虚しい音が響いた。
不味い冷凍ピザをビールで喉に流し込む。
流し台からは洗い物をせずに
放ったからしの残飯などから
異臭が立ち上っていた。
『そろそろ綾乃との関係を精算すべきか…』
健太郎の気持ちは由里子へどんどんと傾いて行く
あの女なら、きっといい妻になるだろう。
妻の綾乃だって現状を打破して
独立したいにきまっているのだから
なるべく早いうちに
離婚協議をした方がいいかもしれない。
ビール缶の中には
まだ半分ほどのビールが残っていた。
健太郎は、そのビール缶を片手に
寝室のドアを開けた。