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少女監禁 罠に堕ちる女
第8章 宗一の旅立ち

寝室の異変を感じた。

クローゼットの扉が開いたままだった。
閉め忘れたか?
いいや、そんなことはない。
4日前に帰宅したときにちゃんと閉めておいた。

ならば…

空き巣か?

そう思って寝室をじっくりと観察したが
まったく荒らされていない。

不思議に感じながら
クローゼットに脚を踏み入れた。

そこで異変に気づいた。

長期出張のために、
かなり大きいトランクを購入していたが
それが見当たらない。

どう言うことだ?

まさか、綾乃が家を飛び出したのか?
荷物をまとめて出ていったのか?

急いで妻の寝室を覗いてみたが
抽斗から下着がごっそり消えているわけでもなく
こちらのクローゼットには
妻のお気に入りの洋服が
ハンガーにかかったままだった。

と、なると…

健太郎は次に娘の聡子の部屋を開けた。

タンスの抽斗が開けっぱなしで
結構な衣服がごっそりと消えていた。

『聡子…』

旅行に行ったとしても
これほどまでに部屋を散らかして行くなんて…
それに持ち出した衣服は
二,三日の旅行とは考えられない。

不意に由里子の言葉が脳裏に蘇る。

『どうやら息子の彼女が家を飛び出して
東京に行ってしまったみたいなの』

では、東京へ家出した女の子というのは…
聡子なのか?
聡子が由里子の息子とお付き合いしていたのか?

健太郎はジグソーパズルのピースが
合致したのを感じていた。

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