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メダイユ国物語
第6章 小さな慰み者
「ああっ……ああっ……」

 声は一番奥の扉の中から聞こえる。間違いなくパウラの声だ。マレーナは扉を開いた。室内は本来の照明は点けておらず、天井から吊るされた数個のランプの弱い明かりのみで薄暗い。香を炊いているらしく、薄っすらと煙りが漂い、甘ったるいほのかな匂いが鼻孔を刺激した。

「パウラ! あっ!」

 パウラはその部屋にいた。その姿にマレーナは堪らず声を上げた。

 彼女は全裸でベッドに横たわっていた。いや、組み伏せられていた。その小さな身体に、大柄な男が覆い被さっている。

「いったい何を……そこから、パウラから離れなさい!」

 マレーナは叫びながらベッドに駆け寄ろうとする。が、すぐにその腕を横から伸びてきた手が掴み、彼女は自由を奪われた。横にはオズベリヒと、その隣にもうひとり兵士姿があった。マレーナの手を掴むオズベリヒは、彼女を強引に椅子に座らせる。

「これはどういうことです! あんな小さな子に何をしているのです!」

 必死な形相でオズベリヒに訴えかけるマレーナ。ところが彼は、

「これはこれは姫君、よくいらっしゃいました。お待ちしていた甲斐がありました」

 至って冷静な態度を崩すことなく答えた。

「あの侍女には、昨日から私の部下の相手をして頂いております」

「昨日からですって? 相手って……」

 マレーナはあらためて横のベッドに目をやる。小柄な白い肌の少女に身体を重ねた浅黒い巨体は、腰を前後に動かしていた。彼女の秘部に、濡れそぼった赤黒い男根が出入りしていた。

「んん……ああ……マレーナ様あ……」

 男の腰の動きに合わせるように、紅潮しきった表情のパウラの口から呻き声が溢れる。

 自身の姿を主に見られたことを知ると、少女は恥ずかしさに固く目を閉じる。涙が止めどなく溢れた。

「ご覧のとおりです。部下たちも日頃の激務で心労が絶えません。彼らにもねぎらいが必要ですのでね」

 目の前で行われている行為を全く意に介さず、オズベリヒは淡々と語る。

「何もこんな小さな子に相手をさせなくても……パウラはまだ十二歳ですよ!」

 パウラの元へ行こうと藻掻くマレーナ。だが彼女を押さえ付けるオズベリヒの力は強く、身動きひとつ取れない。

「無理強いはしておりません。私がお願いしたら、彼女は同意してくれたのですよ?」
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