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メダイユ国物語
第6章 小さな慰み者
 そんなマレーナをよそに、少年は黙々と身に着けた服を脱ぎ、やがて最後の一枚の下着を取り払った。全裸になった少年は、パウラのいるベッドに歩み寄る。緊張のためか、彼の股間では陰茎(ペニス)がだらりと頭を下げている。

「緊張しているのか。それでは彼女を悦ばせることなど出来ないぞ」

 オズベリヒは少年に向かって言うと、続けて

「パウラ、こういう時はどうすればいいのか分かりますね?」

 と、パウラに目を向けた。

「は……はい」

 ベッドの上を端まで這って行き、パウラは少年の顔を見上げた。

(か、可愛い……)

 少年は声に出しそうになった。自分を見上げる全裸の少女は、透きとおるほど肌が白く、おさげにした金髪はサラサラだ。自分を見つめるグレーの瞳に吸い込まれそうだった。

「あ、あの……マレーナ様」

 パウラは俯きながら、悲壮感に浸る主に声をかける。彼女の声に呼応するように、マレーナはゆっくりと顔を幼い侍女に向けた。

「私は――パウラはこのような、はしたない姿を姫様にお見せしたくございません」

 頬を紅潮させ、絞り出すように言葉を発するパウラ。

「お願いでございます……マレーナ様」

 目を固く閉じ、恥ずかしそうに彼女は続ける。
 せめて側に居てあげることが、小さな侍女のためと思っていたマレーナは、彼女の言葉にたじろいだ。

「――分かりました。わたしは……席を外します」

 自分に仕える侍女を救ってあげられない――そんな悔しさで止めどなくこぼれ落ちる涙を拭いながら、マレーナはパウラに答え、続けざまにオズベリヒに尋ねた。

「構いませんね?」

「お好きなように」

 オズベリヒが了承すると、マレーナは力なくよろよろと立ち上がる。

(パウラ――本当に、ごめんなさい)

 横目でちらりと、ベッドに佇む少女の裸身を一瞥してから、彼女は扉を開き重い足取りで部屋を出た。

 室内が静寂に包まれる。

「あの……失礼します」

 パウラは目の前の少年にそう言うと、彼の萎えた陰茎に右手を添えた。と同時に左手でその下の陰嚢をそっと包み込む。

「うっ……」

 初めて他人に、しかもこんな美少女にそこを触れられ、少年は思わず呻きを上げた。
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