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青い煩い、少女の情動。
第8章 布団の香り、

雨の匂いがすっかり引いて、清々しい朝の日差しがカーテンを引かれた窓から入り込んで来る。
[ふわぁーー、]
布団から出て、大きく背伸びをすると
ぽきぽきと全身から摩擦音が鳴る。
[ぁ、莉央おはよう。]
当然の如く、私より早く起きていた響君が朝ごはんの準備を済ませてコーヒーを飲んでいた。
[ぁ……おはよー、早いね]
『莉央が遅いんだけどね、』
時計を見ると時刻は9時を回っている。
確かに遅い……
まぁ、理由は一つしかないのだけれど
『昨日はありがとね、ひさ寝かしつけてくれて。』
[ううん、私も寝れなかったから……気にしなくていいよ。]
『うん。』
響君は慈しみ深い目で悠寿君を見ていた。
私はうがいをして、洗顔をして、
そして響君の向かいの席についた。
[ひさ、まだ起こさなくていいの?]
『流石にそろそろ起こすよ、』
可愛い寝顔……、
と思って口角があがってしまう……
!?
待って私も響君に寝顔見られてたってこと?
涎とか垂らしてなかったかなぁ?
うわー、
結局、プラマイゼロ。
爽やかな空気で満たされた朝といえども、
やはり人生いいことだけとはいかないのだ。

