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それぞれの後編
第8章 サディスティック・マリッジ〜第三章・夏〜【一年目の記念日】
摩美の琉へのアピールは相変わらず続いていた。
休憩時間、昼休み、出社退社時間、全てに摩美が琉に絡み付いて来ていた。
そんな中、当然のように女子社員への憂さ晴らし的なイジメの対象も完全に摩美へと移っていた。
「森永さん、いつまで資料室に篭ってるつもりかしらね」
摩美に資料の片付けを頼んだ年配社員の木村がため息を吐いた。
「愛里咲、これ片して」
琉の声に、愛里咲が顔を上げれば、ドサドサと愛里咲の机の上にファイルが積み上げられる。
「……ついでに様子見てきます」
琉をひと睨みした後、愛里咲が木村に向けてそう言えば、木村は頼むわねっと言って席に戻って行った。
愛里咲がファイルの山を抱えようとすると、当たり前の様に伸びてきた琉の腕がそれを奪う。
「運んでやる」
そう言って歩き出す琉に、愛里咲は苦笑いを零した。
(それなら最初から机の上に降ろさなきゃいいのに…二度手間じゃん)
休憩時間、昼休み、出社退社時間、全てに摩美が琉に絡み付いて来ていた。
そんな中、当然のように女子社員への憂さ晴らし的なイジメの対象も完全に摩美へと移っていた。
「森永さん、いつまで資料室に篭ってるつもりかしらね」
摩美に資料の片付けを頼んだ年配社員の木村がため息を吐いた。
「愛里咲、これ片して」
琉の声に、愛里咲が顔を上げれば、ドサドサと愛里咲の机の上にファイルが積み上げられる。
「……ついでに様子見てきます」
琉をひと睨みした後、愛里咲が木村に向けてそう言えば、木村は頼むわねっと言って席に戻って行った。
愛里咲がファイルの山を抱えようとすると、当たり前の様に伸びてきた琉の腕がそれを奪う。
「運んでやる」
そう言って歩き出す琉に、愛里咲は苦笑いを零した。
(それなら最初から机の上に降ろさなきゃいいのに…二度手間じゃん)