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それぞれの後編
第8章 サディスティック・マリッジ〜第三章・夏〜【一年目の記念日】
「は? 私っ⁈ 」
入社してから昨日まで貼り紙攻撃にただ耐えてきた愛里咲は、突然加害者に指名され目を丸くして摩美を見つめた。
「私が琉先輩の元カノだから妬んでるんでしょ⁈ 」
「え? そんな訳…っ」
摩美の勢いに押され気味の愛里咲。上手く言葉が紡げない。
「森永、愛里咲はそんな事するやつじゃない」
黙って聞いていた町田が、愛里咲に詰め寄る摩美の身体を引き戻した。
「私見ました! 千葉さんが森永さんのロッカーに貼り紙している所‼︎ 」
身の保身の為か、伊藤が摩美の言葉に同調すれば、荒木と神谷も口々に自分も見たと騒ぎ出す。
「えっ? いやっ…私はそんな事……」
ジワリと愛里咲の目に涙が浮かぶ。
まだ1年と少しではあるが、この会社…この部署に勤めてからは真面目に仕事をこなしてきた。
摩美や伊藤・神谷・荒木に快く思われていないのはわかっていても、こんな風に疑われて、やってもいない事の犯人にされるなんて心外だ。
愛里咲はグッと拳を握った。
入社してから昨日まで貼り紙攻撃にただ耐えてきた愛里咲は、突然加害者に指名され目を丸くして摩美を見つめた。
「私が琉先輩の元カノだから妬んでるんでしょ⁈ 」
「え? そんな訳…っ」
摩美の勢いに押され気味の愛里咲。上手く言葉が紡げない。
「森永、愛里咲はそんな事するやつじゃない」
黙って聞いていた町田が、愛里咲に詰め寄る摩美の身体を引き戻した。
「私見ました! 千葉さんが森永さんのロッカーに貼り紙している所‼︎ 」
身の保身の為か、伊藤が摩美の言葉に同調すれば、荒木と神谷も口々に自分も見たと騒ぎ出す。
「えっ? いやっ…私はそんな事……」
ジワリと愛里咲の目に涙が浮かぶ。
まだ1年と少しではあるが、この会社…この部署に勤めてからは真面目に仕事をこなしてきた。
摩美や伊藤・神谷・荒木に快く思われていないのはわかっていても、こんな風に疑われて、やってもいない事の犯人にされるなんて心外だ。
愛里咲はグッと拳を握った。