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それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
「喧嘩でもしたんですか?」
突然掛けられた声に、愛里咲は驚いて大きく身体を揺らした。
恐る恐る振り返れば、愛里咲の真後ろに飯村が立っていた。
見回せば、オフィス内に他の人影はない。
「ため息吐くと幸せ逃げますよ?」
ズイッと距離を詰める飯村に、愛里咲は身体を強張らせた。
「いっ…飯村くんも残業? 皆もう帰っちゃったのかな」
お茶でも飲もうかなぁと言いながら、愛里咲は慌てて立ち上がり足早にティーサーバーへと向かう。
「皆もう帰りましたよ。俺ももう帰るところです」
愛里咲の隣の席へと腰を下ろした飯村は、ティーサーバーの横でお茶を啜る愛里咲をジッと見つめて言った。
「最近、琉先輩と森永さん、毎日一緒に帰ってますね。……愛里咲さん、気にならないんですか?」
「……大丈夫だよ…ちゃんと帰ってきてるから……」
日付が変わる頃に帰宅する琉。
会社では摩美がベッタリ張り付き、定時になれば2人で帰って行く。
─────気にならない訳が無い。
まして、過去に付き合っていたという2人だ。
疑い出したらキリがない。
突然掛けられた声に、愛里咲は驚いて大きく身体を揺らした。
恐る恐る振り返れば、愛里咲の真後ろに飯村が立っていた。
見回せば、オフィス内に他の人影はない。
「ため息吐くと幸せ逃げますよ?」
ズイッと距離を詰める飯村に、愛里咲は身体を強張らせた。
「いっ…飯村くんも残業? 皆もう帰っちゃったのかな」
お茶でも飲もうかなぁと言いながら、愛里咲は慌てて立ち上がり足早にティーサーバーへと向かう。
「皆もう帰りましたよ。俺ももう帰るところです」
愛里咲の隣の席へと腰を下ろした飯村は、ティーサーバーの横でお茶を啜る愛里咲をジッと見つめて言った。
「最近、琉先輩と森永さん、毎日一緒に帰ってますね。……愛里咲さん、気にならないんですか?」
「……大丈夫だよ…ちゃんと帰ってきてるから……」
日付が変わる頃に帰宅する琉。
会社では摩美がベッタリ張り付き、定時になれば2人で帰って行く。
─────気にならない訳が無い。
まして、過去に付き合っていたという2人だ。
疑い出したらキリがない。