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それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
ジワリと浮かんだ涙。
愛里咲はキツく目を閉じ、ブンブンと頭を横に振った。
「私もこの資料片付けたら終わりだから。お疲れ様───…‼︎」
机の上の資料へと手を伸ばす愛里咲。
その手を、飯村がグッと掴んだ。
「その泣きそうな顔……堪んなくそそられる」
飯村の手に力が込められれば、愛里咲の顔に恐怖が滲み始める。
「……誘ってんの? 襲っていい?」
口の端を意地悪く持ち上げた飯村の顔に、愛里咲の中の何かが警鐘を鳴らした。
「……っ…離して‼︎ 」
勢い良く振り払おうとした手は、呆気なく自由になった。
「冗談ですよ。資料室ですよね? 運びます」
愛里咲から離れた飯村の手は、愛里咲の机の上の資料をヒョイっと持ち上げる。
「え? いいよっ、私がやるから‼︎ 」
「2人でやった方が早いでしょ?」
「でも…っ」
愛里咲の言葉を躱しながら、飯村は資料室へと歩き出す。
「……ありがとう…」
仕方なく、愛里咲はその後ろに続いた。
愛里咲はキツく目を閉じ、ブンブンと頭を横に振った。
「私もこの資料片付けたら終わりだから。お疲れ様───…‼︎」
机の上の資料へと手を伸ばす愛里咲。
その手を、飯村がグッと掴んだ。
「その泣きそうな顔……堪んなくそそられる」
飯村の手に力が込められれば、愛里咲の顔に恐怖が滲み始める。
「……誘ってんの? 襲っていい?」
口の端を意地悪く持ち上げた飯村の顔に、愛里咲の中の何かが警鐘を鳴らした。
「……っ…離して‼︎ 」
勢い良く振り払おうとした手は、呆気なく自由になった。
「冗談ですよ。資料室ですよね? 運びます」
愛里咲から離れた飯村の手は、愛里咲の机の上の資料をヒョイっと持ち上げる。
「え? いいよっ、私がやるから‼︎ 」
「2人でやった方が早いでしょ?」
「でも…っ」
愛里咲の言葉を躱しながら、飯村は資料室へと歩き出す。
「……ありがとう…」
仕方なく、愛里咲はその後ろに続いた。