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それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
バタンッ
助手席のドアを閉めれば、その窓が開けられる。
「じゃあな、琉! また明日もヨロシクな」
運転席の男は軽く手を上げると、窓を閉め車を発進させた。
23時48分…
薄暗いマンションのエレベーターホールで、琉は腕時計を覗き小さく欠伸した。
最近、毎晩帰りはこのくらいの時間だ。
夕飯も外で済ませているから、家には寝に帰っているようなものだ。
寝室に入れば、愛里咲はこちらに背を向けてベッドの端で眠っている。
琉は、愛里咲を起こさないように静かに布団へと入り、後ろからその温もりをそっと抱き締めた。
”つっ…津川さんには勃たなくても、森永さんとは中学時代にエッチした仲だもんね”
(───記憶にねぇ事を責められてもな…)
長引いている喧嘩。
愛里咲の嫉妬の相手は摩美。だが、琉には中学時代、摩美と付き合っていた記憶がない。
若さに任せて、来るもの拒まずで一通り付き合った。その相手を一々覚えてはいなかった。
(……ホント面倒くせぇ…)
ギュッと愛里咲を抱く腕に力を込め、琉はその背に顔を埋めて目を閉じた。
助手席のドアを閉めれば、その窓が開けられる。
「じゃあな、琉! また明日もヨロシクな」
運転席の男は軽く手を上げると、窓を閉め車を発進させた。
23時48分…
薄暗いマンションのエレベーターホールで、琉は腕時計を覗き小さく欠伸した。
最近、毎晩帰りはこのくらいの時間だ。
夕飯も外で済ませているから、家には寝に帰っているようなものだ。
寝室に入れば、愛里咲はこちらに背を向けてベッドの端で眠っている。
琉は、愛里咲を起こさないように静かに布団へと入り、後ろからその温もりをそっと抱き締めた。
”つっ…津川さんには勃たなくても、森永さんとは中学時代にエッチした仲だもんね”
(───記憶にねぇ事を責められてもな…)
長引いている喧嘩。
愛里咲の嫉妬の相手は摩美。だが、琉には中学時代、摩美と付き合っていた記憶がない。
若さに任せて、来るもの拒まずで一通り付き合った。その相手を一々覚えてはいなかった。
(……ホント面倒くせぇ…)
ギュッと愛里咲を抱く腕に力を込め、琉はその背に顔を埋めて目を閉じた。