この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
ポンッと愛里咲の頭に、佐藤の手が優しく乗せられた。
「琉の事、信じててあげてね」
「え?」
顔を上げた愛里咲の視界に、少し困ったように笑う佐藤。その隣の根岸も、同じような笑みを浮かべて愛里咲を見ていた。
「……琉ちゃんが何処に行っているのか…知ってるんですか?」
縋るような愛里咲の視線。佐藤はそれをしっかりと見据えた。
「愛里咲ちゃんが心配するような事は絶対にないから」
「……っ……」
釈然としない。
でも、琉と仲のいい佐藤がそう言うのだから、きっと大丈夫なのだろう。
愛里咲は頷き、そのまま俯いた。
そして、摩美の甲高い猫なで声と共に琉がオフィスの出口へ向かう。
俯いたままの愛里咲を見遣る琉の視線は、その隣に立つ佐藤の視線とぶつかる。
ニッと笑って頷く佐藤。
一瞬目を瞠った琉だが、すぐにフッと口元を綻ばせる。
そして、摩美に無理矢理腕を引かれ、オフィスを後にした。
「琉の事、信じててあげてね」
「え?」
顔を上げた愛里咲の視界に、少し困ったように笑う佐藤。その隣の根岸も、同じような笑みを浮かべて愛里咲を見ていた。
「……琉ちゃんが何処に行っているのか…知ってるんですか?」
縋るような愛里咲の視線。佐藤はそれをしっかりと見据えた。
「愛里咲ちゃんが心配するような事は絶対にないから」
「……っ……」
釈然としない。
でも、琉と仲のいい佐藤がそう言うのだから、きっと大丈夫なのだろう。
愛里咲は頷き、そのまま俯いた。
そして、摩美の甲高い猫なで声と共に琉がオフィスの出口へ向かう。
俯いたままの愛里咲を見遣る琉の視線は、その隣に立つ佐藤の視線とぶつかる。
ニッと笑って頷く佐藤。
一瞬目を瞠った琉だが、すぐにフッと口元を綻ばせる。
そして、摩美に無理矢理腕を引かれ、オフィスを後にした。