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それぞれの後編
第9章 サディスティック・マリッジ〜第四章・夏〜【仲直りの仕方】
「琉くんっ、お弁当どうだった⁈ 」
琉が弁当を食べ終えその蓋を閉めれば、待ってましたとばかりに坂本が琉に感想を求める。
琉の答えは決まって、
「……まあまあ」
そう答えて琉は立ち上がる。
”まあまあ”キターっと騒ぐ坂本。諌める松田。
その隣では、佐藤が根岸にお弁当を作って欲しいとねだっている。
「……今日は、夕飯、家で食うから」
賑やかな周りの声に掻き消されないように、琉は愛里咲の耳元へ唇を寄せ、そう言った。
”夕飯いるのかいらないのか連絡がないから、琉ちゃんの分も作ってるんだよ⁉︎ 毎晩手も付けられずに残るばっかで、お陰でお弁当箱いっぱいなの‼︎ ”
先程、思わず漏らした愛里咲の不満への琉なりの気遣いなのだろう。
そう気付けば、愛里咲の瞳には涙が溢れ出しそうな程に溜まっていた。
「…っ…うんっ…夕飯、用意しとく…っ‼︎ 」
愛里咲は勢いよく顔を上げ、琉に笑顔を向ける。
細められた瞳からは、涙が零れ落ちていた。
「ぶっ……すげーブス顔」
泣き笑いの愛里咲の顔に噴き出す琉。だが、愛里咲の頭を撫でるその手は優しい。
愛里咲は耳まで真っ赤にして、俯いた。
琉が弁当を食べ終えその蓋を閉めれば、待ってましたとばかりに坂本が琉に感想を求める。
琉の答えは決まって、
「……まあまあ」
そう答えて琉は立ち上がる。
”まあまあ”キターっと騒ぐ坂本。諌める松田。
その隣では、佐藤が根岸にお弁当を作って欲しいとねだっている。
「……今日は、夕飯、家で食うから」
賑やかな周りの声に掻き消されないように、琉は愛里咲の耳元へ唇を寄せ、そう言った。
”夕飯いるのかいらないのか連絡がないから、琉ちゃんの分も作ってるんだよ⁉︎ 毎晩手も付けられずに残るばっかで、お陰でお弁当箱いっぱいなの‼︎ ”
先程、思わず漏らした愛里咲の不満への琉なりの気遣いなのだろう。
そう気付けば、愛里咲の瞳には涙が溢れ出しそうな程に溜まっていた。
「…っ…うんっ…夕飯、用意しとく…っ‼︎ 」
愛里咲は勢いよく顔を上げ、琉に笑顔を向ける。
細められた瞳からは、涙が零れ落ちていた。
「ぶっ……すげーブス顔」
泣き笑いの愛里咲の顔に噴き出す琉。だが、愛里咲の頭を撫でるその手は優しい。
愛里咲は耳まで真っ赤にして、俯いた。