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それぞれの後編
第10章 サディスティック・マリッジ〜第五章・秋〜【前進するために…】
ほぼ根岸ペースだが、いろいろなお店を見て回った愛里咲と根岸。

ようやく2人のワンピースが決まり、2人はケーキ屋へと立ち寄っていた。

店内のテーブルへと着き、紅茶とケーキを堪能している。


「新婚旅行は何処に決めたんですか?」

確か、以前は候補が10カ国以上だった筈。

優柔不断な根岸と、拘りの強い佐藤。
いつまで経っても全く決まらないと根岸はよく愚痴っていた。

「もうそろそろ決めないとヤバイんだよ? でもまだ悩み中」

大きなため息を漏らす根岸に、愛里咲は苦笑を返すしか出来ない。


「新婚旅行はさ、冬休みと特別休暇をプラスしてもらうから、まだ日はあるんだ。今月中には決める!」

そう言うと、根岸は紅茶を一口啜る。


「あ、式場で入場券のサービスがあるって言ったの覚えてる?」

「あ、はい」

「Wデートしようよ!」

根岸からの突然の提案に、愛里咲は少し眉をひそめた。


「………私、絶叫系パスです…」

絶叫系、そしてお化け屋敷も苦手の愛里咲。

そのため、遊園地系も普段は余り行かないし、琉とも行った事はなかった。

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