この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それぞれの後編
第10章 サディスティック・マリッジ〜第五章・秋〜【前進するために…】
「森永さん! あなた、何回いえばわかるの⁉︎ 」
週明けのオフィスに、年配女子社員の木村のキーキー声が響いた。
怒られているのはもちろん、新人の森永摩美。
だが、
「木村さんの教え方がわかりにくいんです」
と、しれっと口答えする。
「今日は何時になったとしても、全部やり終えるまで帰らせないからね!」
「今夜遅くにやり終える仕事を見るのは明日の朝でしょ? だったら明日やっても変わらないじゃないですか」
「なっ……」
ピキピキと、木村のこめかみの血管が浮き上がる。
「この入力はこっちが午前中でこっちが午後! このコピーは16時までに終わらせて! わかった⁈ 」
「はーい」
ヒステリックに声を張り上げる木村を尻目に、摩美はコピーの資料を持って立ち上がる。
「あなたねっ、午前中の仕事をまず片付けなさいよ!」
「だって、ここうるさくて……やる気出ない」
盛大にため息を吐く摩美。
部署内の全員が、次に来るであろう木村の怒鳴り声に備えて耳を塞いだ。
週明けのオフィスに、年配女子社員の木村のキーキー声が響いた。
怒られているのはもちろん、新人の森永摩美。
だが、
「木村さんの教え方がわかりにくいんです」
と、しれっと口答えする。
「今日は何時になったとしても、全部やり終えるまで帰らせないからね!」
「今夜遅くにやり終える仕事を見るのは明日の朝でしょ? だったら明日やっても変わらないじゃないですか」
「なっ……」
ピキピキと、木村のこめかみの血管が浮き上がる。
「この入力はこっちが午前中でこっちが午後! このコピーは16時までに終わらせて! わかった⁈ 」
「はーい」
ヒステリックに声を張り上げる木村を尻目に、摩美はコピーの資料を持って立ち上がる。
「あなたねっ、午前中の仕事をまず片付けなさいよ!」
「だって、ここうるさくて……やる気出ない」
盛大にため息を吐く摩美。
部署内の全員が、次に来るであろう木村の怒鳴り声に備えて耳を塞いだ。