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それぞれの後編
第11章 サディスティック・マリッジ〜第六章・秋〜【ドキドキディナー】
「愛里咲‼︎ 」
心強いその声に、愛里咲はハッとして目を開けた。
愛里咲に向けて伸ばされた腕に、飛びつくように腕を伸ばす。
愛里咲と琉の間の乗客に睨まれながらも、強い力が愛里咲を琉の元へと引き寄せた。
「……危ねえだろ」
愛里咲と琉の間にいた乗客が、琉を睨む。
だが、琉が睨む先はそのまた更に先。愛里咲に痴漢行為を行っていた男に向けられている。
「おい! 聞いてんのか?」
「お前もあいつの仲間?」
琉に掴み掛かろうとした乗客に、琉は鋭い視線を向けた。
「あいつと一緒に痴漢してたのか?」
「はぁ⁉︎ 俺は痴漢なんてしてねぇよ‼︎ 」
その乗客は慌てた様子で両手を上げて、顔を横にブンブンと振った。
少し離れたところから、
「痛い! 無理に通らないで!」
「押さないで下さい!」
と言う声が上がる。
無理矢理人混みを掻き分けて場所を移動したのだろう。
琉が痴漢の方へ視線を戻せば、その男の姿はもうそこにはなかった。
心強いその声に、愛里咲はハッとして目を開けた。
愛里咲に向けて伸ばされた腕に、飛びつくように腕を伸ばす。
愛里咲と琉の間の乗客に睨まれながらも、強い力が愛里咲を琉の元へと引き寄せた。
「……危ねえだろ」
愛里咲と琉の間にいた乗客が、琉を睨む。
だが、琉が睨む先はそのまた更に先。愛里咲に痴漢行為を行っていた男に向けられている。
「おい! 聞いてんのか?」
「お前もあいつの仲間?」
琉に掴み掛かろうとした乗客に、琉は鋭い視線を向けた。
「あいつと一緒に痴漢してたのか?」
「はぁ⁉︎ 俺は痴漢なんてしてねぇよ‼︎ 」
その乗客は慌てた様子で両手を上げて、顔を横にブンブンと振った。
少し離れたところから、
「痛い! 無理に通らないで!」
「押さないで下さい!」
と言う声が上がる。
無理矢理人混みを掻き分けて場所を移動したのだろう。
琉が痴漢の方へ視線を戻せば、その男の姿はもうそこにはなかった。