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それぞれの後編
第11章 サディスティック・マリッジ〜第六章・秋〜【ドキドキディナー】
「”愛してる”って……言って?」

「……やだね」

「琉ちゃん」

「うるさい」


なかなか引き下がらない愛里咲の唇を、琉は自身の唇で塞いだ。


「んっ…」

チャペルのイルミネーションの前。他にも見物客はたくさんいる。

場所が場所だけに、愛里咲は慌てて琉の胸板を押し返した。


唇を離すと、琉はフッと笑いを漏らす。

「代わりに、イイモノくれてやる」

「イイモノ?」

首を傾げる愛里咲の腕を引き、琉は人けのない路地裏へと入る。


「…っ…んっ…」

愛里咲の身体を壁に押し付けると、琉はまた唇を重ねる。

先程とは違い、今度は舌が捻じ込まれる。


通りを走る車や、人々の足音。

もしも誰かがこちらを覗いたら…

もしも誰かがこちらに歩いてきたら……

そう思うと不安で仕方ない。

それなのに愛里咲は、琉のワイシャツを掴んで身体を寄せては、ねだるように舌を絡ませていた。


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