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それぞれの後編
第11章 サディスティック・マリッジ〜第六章・秋〜【ドキドキディナー】
刺激され続けた愛里咲の身体は熱く火照り、今だ疼いていた。

ようやく自宅マンションまでたどり着き、エレベーターへと乗り込む。

向かい合い、愛里咲の目の前に琉がいる。

いつもの意地の悪い笑みを浮かべ、無言で愛里咲を見下ろす琉。

視線が絡み合えば、愛里咲の心臓が騒ぎ出し、身体の真ん中が琉を求めて疼いた。


(……抱き着きたい)

目の前の胸に熱いこの身体を埋めてしまいたい。

そう思うのに、エレベーター内には、男性が1人乗っている。

愛里咲は恨めしげに、その男性を見てはため息を零した。


(何でこんな身体が疼くのかな…中途半端にされたせい?)

静かなエレベーター内。
1人息を乱す自分が恥ずかしくて、愛里咲は俯き、両足を摺り合わせながらワンピースの裾を引っ張った。


「ノーパンでそんな丈の短いの履くから、下手に動いたら見えちゃうな」

耳元で囁く琉の声に、愛里咲は睨むように顔を上げた。

「……!……」

琉の肩越しに、同乗していた男性と目が合う。

ジッと愛里咲を見つめる男性。

琉の言葉を聞かれてしまったのではないかと、愛里咲は顔を赤くした。


逸らされないその視線に、愛里咲の身体が熱を帯びていく。

(何で見てるの? 何で見られるだけで熱くなるの?)

男性から目を逸らせないまま、愛里咲はワンピースの裾を強く引っ張っていた。

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