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第12章 サディスティック・マリッジ〜第七章・冬〜【立場逆転⁉︎】

「俺の勝ちですね」

ペアチケットを見せびらかしながら、飯村が琉に得意気な顔を向ける。

あの後、1位のペアチケットは飯村が当てていた。


「そもそも勝負なんてしてないだろ」

そう言いつつ不機嫌そうに顔をしかめる琉。

そんな琉を間に挟み、飯村は愛里咲へと声を掛けた。


「愛里咲さん、約束通り、一緒に行きましょうね」

「ええっ⁉︎ 約束なんてした⁉︎ 」

「したじゃないですか！ 女子に二言はないでしょ？」

「身に覚えがないのに、そんな言われ方されたら困るよ」

涙の溜まった瞳を、困ったように琉の方へと泳がす愛里咲。

琉は盛大なため息を吐き出した。


「俺と愛里咲は、今夜はここに泊まるんだよ。んで明日、佐藤さんと根岸さんとテーマパーク行くから」

だからお前とは行かない、琉が少しキツめの口調で飯村にそう告ける。


「じゃ飯村、私と明日行こうよ」

ペアチケットのうちの1枚を奪うように取る摩美。

「私も行きたい‼︎ 」

聞きつけた伊藤と神谷と荒木が、後ろの席から駆け寄ってくる。


5人が明日の朝ここへ来る事となり、結局一緒に行く事になってしまった。