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それぞれの後編
第13章 サディスティック・マリッジ〜第八章・冬〜【これからもずっと】
「あ、急流すべり空いてる!」
お化け屋敷を出るや否や、摩美が目の前の急流滑りのアトラクションの列へと駆け寄っていく。
「また四人乗りだぁ」
そう言う伊藤は、何気に琉に視線を送っていた。
「あの…私は苦手なので、待ってますね」
お化け屋敷のショックから今だ立ち直れない愛里咲。
(……夢に見そう……)
目を閉じれば先程まで散々見てきた、暗闇の中に青白く浮かび上がる恐ろしいものが浮かんでくる。
震える足は先に進んでくれず、愛里咲はしがみついた飯村に引き摺られてどうにか外へと出てきた。
日の光を浴びてようやく前へと動き出した足はフラフラで、愛里咲は倒れ込むように近くのベンチに座る。
「大丈夫ですか? 俺も…」
「必要ない。俺が残る」
飯村の言葉を遮るように、琉が言い放つ。
「えーっ‼︎ 」
伊藤・神谷・荒木が抗議の声を上げ、列に並ぶ摩美も大声で琉を呼んでいた。
「琉ちゃん、私は平気だよ?」
「……わかった。少しの間ここで待ってろよ?」
愛里咲が力なく笑えば、琉は思案するような表情をして頷いた。
愛里咲を1人残し、他のメンバーはアトラクション待ちの列へと消えていき、愛里咲は深いため息を吐き出した。
お化け屋敷を出るや否や、摩美が目の前の急流滑りのアトラクションの列へと駆け寄っていく。
「また四人乗りだぁ」
そう言う伊藤は、何気に琉に視線を送っていた。
「あの…私は苦手なので、待ってますね」
お化け屋敷のショックから今だ立ち直れない愛里咲。
(……夢に見そう……)
目を閉じれば先程まで散々見てきた、暗闇の中に青白く浮かび上がる恐ろしいものが浮かんでくる。
震える足は先に進んでくれず、愛里咲はしがみついた飯村に引き摺られてどうにか外へと出てきた。
日の光を浴びてようやく前へと動き出した足はフラフラで、愛里咲は倒れ込むように近くのベンチに座る。
「大丈夫ですか? 俺も…」
「必要ない。俺が残る」
飯村の言葉を遮るように、琉が言い放つ。
「えーっ‼︎ 」
伊藤・神谷・荒木が抗議の声を上げ、列に並ぶ摩美も大声で琉を呼んでいた。
「琉ちゃん、私は平気だよ?」
「……わかった。少しの間ここで待ってろよ?」
愛里咲が力なく笑えば、琉は思案するような表情をして頷いた。
愛里咲を1人残し、他のメンバーはアトラクション待ちの列へと消えていき、愛里咲は深いため息を吐き出した。