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それぞれの後編
第20章 サディスティック・マリッジ【あとがきのあと】
「……琉ちゃんを……?調、きょ…っ⁉︎ 」
口にした瞬間、身体中の血液が凍り付いた気がした。
慌てて周りを見渡し、絶対に聞かれたくない人物の姿がないか確認する。
副社長と二人きりのエレベーター。他には誰もいない。他の誰にも聞かれていない。それを確かめた愛里咲はホッと安堵の息を漏らした。
「調教……興味ある?」
先程よりも、若干、副社長の声が低くなった気がする。そう感じた愛里咲は、勢い良く顔を上げ、首を横にブンブンと振った。
「そそそそそっ、そんな恐ろしいこと!滅相もございません!」
シン──……と、エレベーターの中が一瞬の静寂に包まれて、
「ははは!夏川くんは絶対的な存在か。妬けるね」
「うぇっ⁉︎ 」
副社長は笑っている。だけど…
(と、鳥肌が……!身震いが……!)
エレベーター内を支配する真っ黒な空気に、愛里咲の第六感が逃げろと警鐘を鳴らす。
行き先の階まであと3つ。そんなに掛からない筈。
引き攣った愛想笑いを浮かべた愛里咲は、ジリジリとドアの方へと足を進める。
ダンッ!という、間近で聞こえた大きな音に、愛里咲は驚き身を竦めた。
顔を上げれば、目の前には副社長の顔。愛里咲の顔の横に、片手を着いて微笑んでいる。
所謂、壁ドン。だけど、トキメクどころか恐怖しか感じない。
口にした瞬間、身体中の血液が凍り付いた気がした。
慌てて周りを見渡し、絶対に聞かれたくない人物の姿がないか確認する。
副社長と二人きりのエレベーター。他には誰もいない。他の誰にも聞かれていない。それを確かめた愛里咲はホッと安堵の息を漏らした。
「調教……興味ある?」
先程よりも、若干、副社長の声が低くなった気がする。そう感じた愛里咲は、勢い良く顔を上げ、首を横にブンブンと振った。
「そそそそそっ、そんな恐ろしいこと!滅相もございません!」
シン──……と、エレベーターの中が一瞬の静寂に包まれて、
「ははは!夏川くんは絶対的な存在か。妬けるね」
「うぇっ⁉︎ 」
副社長は笑っている。だけど…
(と、鳥肌が……!身震いが……!)
エレベーター内を支配する真っ黒な空気に、愛里咲の第六感が逃げろと警鐘を鳴らす。
行き先の階まであと3つ。そんなに掛からない筈。
引き攣った愛想笑いを浮かべた愛里咲は、ジリジリとドアの方へと足を進める。
ダンッ!という、間近で聞こえた大きな音に、愛里咲は驚き身を竦めた。
顔を上げれば、目の前には副社長の顔。愛里咲の顔の横に、片手を着いて微笑んでいる。
所謂、壁ドン。だけど、トキメクどころか恐怖しか感じない。