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それぞれの後編
第20章 サディスティック・マリッジ【あとがきのあと】
「俺?俺ならもうくれてやっただろ」
そう言って、琉の手が首へと巻き付けられた愛里咲の左手をそっと外した。
そのまま、愛里咲の左手薬指に光るリングを愛おしそうに撫で、琉の形のいい唇がリングにそっと触れる。
─────ゾクッ…
寒気とは違う。腰が震える感覚。引き抜かれた琉の指の、名残ある空洞が疼いて仕方ない。
野性的な色を強めた琉の瞳に囚われた視線は、釘付けにされたまま離れることを望まない。
愛里咲自身が心臓になってしまったかのような大きな心音だけが耳に響き、身体の真ん中で熱を増していくそこに充分過ぎるほどの血液を送っている気がする。
リングに口付けたまま、満足げに弧を描いた琉の唇を見つめ、半開きだった愛里咲の唇が必死に言葉を紡いでいく。
「琉ちゃんは……私の、もの?」
その言葉に琉が頷いてくれたら、愛里咲は天に昇ってしまうだろう。だけど。
頷いてくれないのは百も承知で、それでもその言葉を発せられる幸せに酔い痺れて、愛里咲の口は短く荒い甘い吐息を出していた。
「私が……琉ちゃんの全て……もらっても、いいの……?」
夢見心地で発した言葉は、
「やだね」
一瞬で打ち砕かれる。
「……っ、なんでぇ……意地悪っ!」
途端に崩壊した愛里咲の涙腺を、琉の指が優しく辿り、優しさとは掛け離れた意地悪な笑みを浮かべる。
そんな琉に翻弄される愛里咲の身体をゾクゾクと駆けるのは、この先への期待を載せた興奮。
「俺が愛里咲の全てをもらうんだよ!」
そんな愛里咲の興奮を顕著に現わす蜜が溢れるその口を、琉の欲情が貫いた。
そう言って、琉の手が首へと巻き付けられた愛里咲の左手をそっと外した。
そのまま、愛里咲の左手薬指に光るリングを愛おしそうに撫で、琉の形のいい唇がリングにそっと触れる。
─────ゾクッ…
寒気とは違う。腰が震える感覚。引き抜かれた琉の指の、名残ある空洞が疼いて仕方ない。
野性的な色を強めた琉の瞳に囚われた視線は、釘付けにされたまま離れることを望まない。
愛里咲自身が心臓になってしまったかのような大きな心音だけが耳に響き、身体の真ん中で熱を増していくそこに充分過ぎるほどの血液を送っている気がする。
リングに口付けたまま、満足げに弧を描いた琉の唇を見つめ、半開きだった愛里咲の唇が必死に言葉を紡いでいく。
「琉ちゃんは……私の、もの?」
その言葉に琉が頷いてくれたら、愛里咲は天に昇ってしまうだろう。だけど。
頷いてくれないのは百も承知で、それでもその言葉を発せられる幸せに酔い痺れて、愛里咲の口は短く荒い甘い吐息を出していた。
「私が……琉ちゃんの全て……もらっても、いいの……?」
夢見心地で発した言葉は、
「やだね」
一瞬で打ち砕かれる。
「……っ、なんでぇ……意地悪っ!」
途端に崩壊した愛里咲の涙腺を、琉の指が優しく辿り、優しさとは掛け離れた意地悪な笑みを浮かべる。
そんな琉に翻弄される愛里咲の身体をゾクゾクと駆けるのは、この先への期待を載せた興奮。
「俺が愛里咲の全てをもらうんだよ!」
そんな愛里咲の興奮を顕著に現わす蜜が溢れるその口を、琉の欲情が貫いた。