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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
摩美はガチャガチャと割りそうな勢いで湯呑みを並べ始める。
「あ、私手伝います」
誰も摩美のフォローをしようとしないため、愛里咲は慌てて摩美の元へと駆け寄った。
急須やお茶の葉の置き場所などを説明し、分けやすいように席順に湯呑みを並べていく。
「あれ……結婚してるんですか?」
愛里咲の左手薬指に嵌められた指輪を見て、摩美が訊いた。
「あ、うん……」
相手が琉だと知れたら面倒臭そうなので、愛里咲は言葉少なに頷く。
「似合わない程に素敵なリングですね」
内心ムッとしつつ、愛里咲は笑顔を返す。
「うん……りゅ…旦那が…選んだから……」
「ふーん、旦那さんオシャレなんですね」
自分の事じゃなくても、琉を褒められれば嬉しい。愛里咲の口元が綻ぶ。
その顔を見て無性にムッとした摩美。
「でも、共働きしなきゃいけない旦那なんてお断りだな。私は琉先輩みたいに仕事が出来る人と結婚して養ってもらいたいっ」
「……そ…なんだ……」
愛里咲の苦笑いにも気付かず、摩美は琉と結婚したらの夢をベラベラと語り始めた。
「あ、私手伝います」
誰も摩美のフォローをしようとしないため、愛里咲は慌てて摩美の元へと駆け寄った。
急須やお茶の葉の置き場所などを説明し、分けやすいように席順に湯呑みを並べていく。
「あれ……結婚してるんですか?」
愛里咲の左手薬指に嵌められた指輪を見て、摩美が訊いた。
「あ、うん……」
相手が琉だと知れたら面倒臭そうなので、愛里咲は言葉少なに頷く。
「似合わない程に素敵なリングですね」
内心ムッとしつつ、愛里咲は笑顔を返す。
「うん……りゅ…旦那が…選んだから……」
「ふーん、旦那さんオシャレなんですね」
自分の事じゃなくても、琉を褒められれば嬉しい。愛里咲の口元が綻ぶ。
その顔を見て無性にムッとした摩美。
「でも、共働きしなきゃいけない旦那なんてお断りだな。私は琉先輩みたいに仕事が出来る人と結婚して養ってもらいたいっ」
「……そ…なんだ……」
愛里咲の苦笑いにも気付かず、摩美は琉と結婚したらの夢をベラベラと語り始めた。