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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
「部長から席の順に並べてあるから」
お盆に並んだ湯呑みの説明を軽くして、愛里咲は給湯室へと戻る。
摩美は部長の町田に最初の湯呑みを渡す。
「ていうか、部長! ウォーターサーバー買いましょうよ! イマドキお茶汲みって……」
「まぁ一々女子社員の手を煩わせるのも…一理あるか。検討してみるか」
ため息交じりに大袈裟に言われ、町田は困惑しつつも頷いた。
摩美は愛里咲に言われた通り、男性社員のデスクにお茶を置いていく。
「あ、ありがとう」
愛里咲ならここで一言二言交わすのだが、摩美は”どうぞ”の言葉もなく、男性社員は隣の男性社員と顔を見合わせ苦笑を漏らしていた。
「琉先輩っ、どうぞ」
琉にだけはやけに丁寧に湯呑みを手渡す摩美。
「あ、ありがとう」
そう言って湯呑みを受け取る琉の左手薬指に、リングが嵌められている事に気付いた。
(え⁉︎ このデザインってさっき見たのと同じ⁉︎ )
琉の結婚相手に気付いた摩美は、給湯室の方を睨み付けた。
お盆に並んだ湯呑みの説明を軽くして、愛里咲は給湯室へと戻る。
摩美は部長の町田に最初の湯呑みを渡す。
「ていうか、部長! ウォーターサーバー買いましょうよ! イマドキお茶汲みって……」
「まぁ一々女子社員の手を煩わせるのも…一理あるか。検討してみるか」
ため息交じりに大袈裟に言われ、町田は困惑しつつも頷いた。
摩美は愛里咲に言われた通り、男性社員のデスクにお茶を置いていく。
「あ、ありがとう」
愛里咲ならここで一言二言交わすのだが、摩美は”どうぞ”の言葉もなく、男性社員は隣の男性社員と顔を見合わせ苦笑を漏らしていた。
「琉先輩っ、どうぞ」
琉にだけはやけに丁寧に湯呑みを手渡す摩美。
「あ、ありがとう」
そう言って湯呑みを受け取る琉の左手薬指に、リングが嵌められている事に気付いた。
(え⁉︎ このデザインってさっき見たのと同じ⁉︎ )
琉の結婚相手に気付いた摩美は、給湯室の方を睨み付けた。