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第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】

昼休み、愛里咲は先輩女子社員の根岸、松田、坂本と社員食堂へ来ていた。

「愛里咲は今日も”まあまあ”なお弁当？」

「まあまあって……」

坂本が冷やかせば、愛里咲はガックリと肩を落とす。
愛里咲の料理を食べる度、琉は「まあまあだな」と言うのを知るほどにこの3人と愛里咲は仲が良かった。


「え？ 琉くんから認められたの？」

そう言って身を乗り出す松田は、しっかり者の姉御肌な既婚者。
今年で2歳になる子供を産んで以来、ダイエットしても痩せないというちょっとぽっちゃりな体型を、オシャレなスーツで上手にカバーしている。


「う……」

「やっぱり”まあまあ”なんだ」

凹む愛里咲を楽しそうに見ている坂本は、かなりのSだと愛里咲はいつも思う。
付き合って4年になる彼とこの春から同棲を始め、真剣に結婚を考えているらしい。


「ていうかあの新人、琉くんの元カノなんでしょ？ 愛里咲、気をつけなよ！」

そう忠告するのは、愛里咲の1つ先輩の根岸芽衣[ねぎし めい]
琉の仕事のコンビの佐藤栄都[さとう えいと]と付き合ってもうじき1年。2人のキューピッドが琉と愛里咲だったりもする。
琉と佐藤がものすごく仲がいいため、Wデートもしょっ中していて、愛里咲と根岸もとても仲が良かった。


「はぁ……」

ため息を吐きながらも、せめて胃袋はガッチリ掴めるように頑張ろうと心に誓う愛里咲だった。