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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
3時のお茶汲みに間に合うように、部長の町田がお試しに申し込んだティーサーバーが届けられた。
お茶、お湯、冷水が出る優れものだ。
数人の社員が集まり、使い方の説明を聞いている。
「ほら、簡単にコーヒーが作れるんです」
説明員がそう言って、隣にいた摩美にコーヒーを手渡した。
「えー、私コーヒー飲めないー! あ、琉先輩」
ぶりっ子な声を上げてオフィス内を見渡した摩美。
デスクにいる琉を見つけ、足早にコーヒーを運ぶ。
「え! 本当ですか⁉︎ ありがとうございますっ‼︎」
琉の隣のデスクで取引先との電話中だった佐藤が、興奮した声を上げて急に立ち上がった。
「きゃあっ⁈」
「あっちー‼︎」
佐藤にぶつかった摩美の手からコーヒーが飛び、勢いよく琉に掛かった。
「うわっ、琉⁈ ごめんっ」
飛び上がるように立ち上がった琉に、佐藤が慌てて頭を下げる。
「もうっ! 急に立ち上がらないで下さいよ!」
「……ごめん」
摩美にまで責められ、腑に落ちない様子ながらも佐藤はまた謝っていた。
「琉ちゃん⁉︎ 大丈夫⁈」
直ぐに給湯室へと走った愛里咲が、琉のワイシャツの袖を捲り上げ、コーヒーの掛かった琉の腕に濡らしたタオルを当てた。
お茶、お湯、冷水が出る優れものだ。
数人の社員が集まり、使い方の説明を聞いている。
「ほら、簡単にコーヒーが作れるんです」
説明員がそう言って、隣にいた摩美にコーヒーを手渡した。
「えー、私コーヒー飲めないー! あ、琉先輩」
ぶりっ子な声を上げてオフィス内を見渡した摩美。
デスクにいる琉を見つけ、足早にコーヒーを運ぶ。
「え! 本当ですか⁉︎ ありがとうございますっ‼︎」
琉の隣のデスクで取引先との電話中だった佐藤が、興奮した声を上げて急に立ち上がった。
「きゃあっ⁈」
「あっちー‼︎」
佐藤にぶつかった摩美の手からコーヒーが飛び、勢いよく琉に掛かった。
「うわっ、琉⁈ ごめんっ」
飛び上がるように立ち上がった琉に、佐藤が慌てて頭を下げる。
「もうっ! 急に立ち上がらないで下さいよ!」
「……ごめん」
摩美にまで責められ、腑に落ちない様子ながらも佐藤はまた謝っていた。
「琉ちゃん⁉︎ 大丈夫⁈」
直ぐに給湯室へと走った愛里咲が、琉のワイシャツの袖を捲り上げ、コーヒーの掛かった琉の腕に濡らしたタオルを当てた。