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新しい継母(ママ)
第1章 プロローグ
涼介は、スカートの中から急いで手を抜いて立ち上がった。

「グラスを落としてしまって。」

「あらあら、大変じゃない!友梨さん大丈夫?」

「大丈夫よ。脚は今涼介さんに拭いてもらったから。でもブラウスがこんなに。」

真っ白だった友梨のブラウスの、胸元辺りが薄茶色に染まって染まっていた。
そればかりか、濡れたおかげで黒いブラジャーのラインやレースの模様が透けて見えていた。

「困ったわ。これじゃ帰れない。」

「涼ちゃん、家に連れて行ってあげたら?」

「え?これから?」

「当たり前でしょ?誰のせいだと思ってるの?」

「そうだけどさぁ」

涼介は、そうは言ってもまだ初対面で、友梨が断るに違いないと思っていた。

「そうね。ご迷惑じゃなければ。」

友梨の意外な答えに、少し戸惑ってしまった。

「い、いいけど、ただー」

「ただなぁに?」

「この事は、父には内緒にして下さいね。叱られるから。」

友梨は、微笑みながら、

「わかったわ。二人だけの秘密にしましょう。」

二人だけの秘密かぁ・・・

涼介は父親に少しだけ勝った気がして、優越感にひたっていた。

「私も知ってるけど?」

「あ、おばさんも内緒だよ!」

「わかってるわよ。涼ちゃん、さぁ早く連れて行ってあげなさい。友梨さん、またゆっくり。」

「ありがとう。お会計はここに置くわね。ごちそうさま。さぁ、涼介さんよろしく。」

そう言って友梨は涼介と無理矢理腕を組み、店を後にした。


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