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少し愛して
第1章  出逢い

人の気配がしなくなると佑貴はまたキスをしてきたのだ。
二人の舌が絡み合いとても艶めかしかった。

「山崎さん、俺、好きだよ…」
「私もよ…」

二人は暫くキスを繰り返していた。
千佳は益々自分の身体が熱くなってくるのを感じていた。

だが、千佳のバックの中のスマホは鳴り続けていたのだ。

マナーモードにしてあるとは言え回数が多かった。
千佳はもう帰らなくてはいけないと思っていた。

今夜のこのキスのことを佑貴は覚えていてくれていると思っていた。
千佳は佑貴から身体を離すと手を取りタクシー乗り場へと向かった。

タクシー乗り場には数台のタクシーが停まってお客を待っていた。
すると、佑貴がこう言ってきたのだ。

「今日、これから山崎さんの家に行きたい!!」

これには非常に驚いた千佳だった。
今夜はマズイ…と、思ったのである。

早く佑貴を自宅に帰さなくてはと思っていた。

「今夜はちょっとダメだから、また今度ね…」
「えー!!そーなのー?」

そう言い終わらないうちに千佳は停まっているタクシーに佑貴を押し込んだ。

「目黒通りまでお願いします…」

千佳はタクシー運転手にそう言って扉を閉めた。
タクシーは何事もなかったかのように走り出して姿を消した。


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