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ひだまりのねこ
第9章  事件③

尚も、名前を呼んでみるが返事が無い。
段々と焦ってくる。

名前を呼びながら部屋中を探して回った。
クローゼットの中も探したのだ。

だが、クロちゃんの姿は見当たらなかった。
優佳は本気で心配になってきた。

このまま見つからなかったらどうしよう。
と、思っていたのである。

その時だった。
ふと、乾燥機の方を見たのだ。

すると、乾燥機のドアが開いている。
乾燥機に近づいて中を見てみた。

その中には丸くなって眠っているクロちゃんが居たのだ。
優佳は叫んだ。

「クロちゃん!!こんな所にいたの?」
「(そうだよ。ここ暖かいんだもん)」

そう言って鳴くのだ。
優佳は乾燥機のドアを閉めるのを忘れていたのだ。

その開いているドアから中に入った様だった。
でも、どうやって入ったのかは不明だった。

クロちゃんが入っているのを知らずに乾燥機のボタンを押さなくて良かったと思った優佳だった。

その後もクロちゃんは洗濯籠の中で寝ていたり、箪笥の引き出しの中で寝ていたり、押し入れで寝ていたりして行方不明になることが多かった。

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