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Love triangle +1
第5章 塁
「だから余計に驚いた。次の日の夜、駅で真理愛に会った時は」
塁は破顔する。
「まさか待ってるなんて思わないよ。あの日の俺残業で、いつもより二時間も遅い電車に乗って帰って来たのに。改札の近くでずっと立って待っててくれたって聞いた時はびっくりするやら、申し訳ないやらで」
「ふふ。あの時の塁、滅茶苦茶焦ってたよね。それこそ挙動不審者だったよ」
痛いところを突かれた塁は、真理愛の脇腹をくすぐってやる。
「それは言わないお約束」
「くすぐったい!」
「だってくすぐってるもん」
「だめだってば。笑い死んじゃうからっ」
「真理愛に死なれたら困るから、それはダメだ」
戯れる塁の手がぴたりと止まった。
いつも優しい彼にしては珍しく声が低くなり、体をきつく縛られた。
「冗談でも死ぬなんて言っちゃダメだ。真理愛がいなくなったら、俺マジで生きていけないって思ってるんだから」
軽い冗談のつもりだったのだが、いつになく厳しい塁に気圧されて、真理愛はこくんと頷く。
言わなきゃ良かったかなと真理愛が後悔していれば、脇腹に再び塁の手が伸びてくる。
「じゃあこれで許してあげる」
「もうっ。るいってば、だめだってばぁ!」
一通りくすぐりの刑が執行され、声が出なくなるくらい笑わされた後、ようやく真理愛は塁から解放された。
塁は破顔する。
「まさか待ってるなんて思わないよ。あの日の俺残業で、いつもより二時間も遅い電車に乗って帰って来たのに。改札の近くでずっと立って待っててくれたって聞いた時はびっくりするやら、申し訳ないやらで」
「ふふ。あの時の塁、滅茶苦茶焦ってたよね。それこそ挙動不審者だったよ」
痛いところを突かれた塁は、真理愛の脇腹をくすぐってやる。
「それは言わないお約束」
「くすぐったい!」
「だってくすぐってるもん」
「だめだってば。笑い死んじゃうからっ」
「真理愛に死なれたら困るから、それはダメだ」
戯れる塁の手がぴたりと止まった。
いつも優しい彼にしては珍しく声が低くなり、体をきつく縛られた。
「冗談でも死ぬなんて言っちゃダメだ。真理愛がいなくなったら、俺マジで生きていけないって思ってるんだから」
軽い冗談のつもりだったのだが、いつになく厳しい塁に気圧されて、真理愛はこくんと頷く。
言わなきゃ良かったかなと真理愛が後悔していれば、脇腹に再び塁の手が伸びてくる。
「じゃあこれで許してあげる」
「もうっ。るいってば、だめだってばぁ!」
一通りくすぐりの刑が執行され、声が出なくなるくらい笑わされた後、ようやく真理愛は塁から解放された。

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