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Love triangle +1
第6章 結婚宣言
「真理愛もだよ。それより前も後も、一切ルイ君の話はしない。約束出来る?」

頷いた真理愛の頬を優しく撫で、利音は再び彼女に口付けた。
ここがどこかなど全く配慮のない濃厚なキスを、真理愛は微かな呻き声を漏らしながらも受け入れる。

「見られちゃうから」

真理愛は懇願するが、利音は意に介さない。

「ルイ君もうすぐカレシじゃなくなるし、誰に見られようがもう関係なくない?」
「リオ!」
「まあ仮にもまだ付き合ってる事になってるから、今日はもうやめとくけどさ。浮気バレて殴られでもしたら事だからね」
「ルイは暴力振るったりしないし」
「俺らだって真理愛に手上げた事なんて一度もないよ」
「……うそつき」
「え?」
「なんでもない。もう、行こ。時間どんどん過ぎてるよ」

ドライブやカフェに、特別行きたい訳ではない。
一刻も早くこの場から去りたい一心で、真理愛は利音を急かす。
そんな彼女を特段疑いもせず、利音はもっともだとばかりにエンジンをかけた。
ゆっくりと走り出した車内から流れる景色を眺めながら、真理愛はざわざわする心を抑える。
怪我を負うような乱暴な振る舞いは、確かに一度もない。
だけど7年前の夜、恐怖に引き攣る自分を好き勝手に扱った。
どんなに綺麗に取り繕ったとしても、あれも立派な暴力の一つだった。
忘れたくとも忘れられない思いを抱えながら、真理愛は両眼をきつく閉じた。









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