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Love triangle +1
第7章 3つのプロポーズ
頭からシーツを被り、昆虫の蛹のように丸まったまま頑として動かなくなっていくばくか。
背後のベッドが軋み、重みに沈んだ。

「いつまでいじけてる?」

後ろから様子を窺うように覗き込んでくる人物が、シーツの僅かな隙間から確認出来た。
今、最も見たくない顔。
正しくは限りなく同じ顔を持つ別人なのだが、この際そこは重要ではなかった。

「放って置いて。大嫌い」

ぱっと見、見分けがつかないくらいの顔をした人間がすぐ近くにいると思うだけで、冷静でいられない。
真理愛は増々シーツを深く被り、背中を小さく丸めた。

「会って早々、開口一番に言う台詞じゃないだろ。俺が何した」
「いつも色々してるじゃない」
「色々?」
「色々は色々よ」

募る苛々をまとめてぶつければ、溜め息を吐かれる。

「いつもの色々はともかくとして。お前が今イラついてるのは弟のせいだろ。俺に当たるな」

正論ではあったが、素直にうんとは言えない。
第一、積もる鬱憤は背面にいる彼にだってずっと持ち続けている。
どちらに怒りをぶちまけたところで間違いではないと、真理愛は自分を正当化する。
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