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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 そして葵さんかな今日起こった出来事が、まるでフラッシュバックの様に伝わってきて、僕の脳裏を雷光の如くに駆け巡ってきたんだ…

「そ、そんなこと…」

 それは…

 朝のほぼ満員の通学電車の中…

 吊革に掴まり立っている葵さんの前後に、いや、前後から、下半身に手が伸びてきて…
 僕の脳裏にその様子がまるで映像の様に流れてくる。

 そしてその痴漢の手が葵さんの前後を盛んに撫で回していた…

(あっ、いやっ、嫌…)
 葵さんは恐怖で声が出せずに、震えていた…

「な、なんて事だ…」
 思わず呟いた、その時…

(うわぁ、いつもホントにいい女だぁ)

(あぁ、ヤリてぇなぁ)

(あっ、あれ?、な、なんだ?)
 と、前後の痴漢の男達の心の声なのか?…
 も、僕の脳裏に聞こえてきていた。

(あん、や、イヤ)
 葵さんの心の悲鳴が…

(あれ、おや、な、なんだぁ?)
 痴漢の戸惑いの声が…


「ヤッ、イヤっ、しゅんっ」
 突然、葵さんはそう叫び…
 僕にきつくしがみついてきた。

「あっ、えっ…」

「あぁぁ、し、しゅんん…」
 そして葵さんはまた泣き始め、激しく嗚咽をしてくる。

「ひっ、ひっ、え、えん、ひん…」
 葵さんの激しい嗚咽と、涙と、そして心の悲鳴が僕の脳裏を、いや、心の中を駆け巡り…

「しゅん、しゅん、わ、わたしね…
 わたしね…
 わたしは…
 あぁぁ、ひっ、ひん…」
 そして葵さんの心の叫びが伝わってきたのだ。

「あ、あおいさぁん…」
 僕は、その叫びを感じ取り、思わず名前を呼び、葵さんを強く抱き締めていき…

「そんな、そんなことないですから」
 と、囁きながらキスをする。

「ひっ、ひん、え、で、でもぉ、あっ、ひんん、えん、わ、わた…しぃ…」

「葵さん、大丈夫ですよ」
 口を塞ぐ様にギュっと唇を押し付ける様にキスをしていくと…

 だって、だって、わたし、わたしぃ、あの痴漢の指に感じちゃってぇ…

「勃っちゃったのよぉぉ…」

 わたし、変態なのよぉ…

 声と、心の中の両方から…
  
 慟哭の悲鳴が響き渡ってきたんだ。





 
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