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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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  でも、たまには男の子もいいんじゃないのぉ?…
 と、葵さんは目で訊いてきた。

「え、あ、は、はぁ…」

 だけど僕は、そんなことは、想いもしなかったんだ…

 そして葵さんはじぃっと僕を見つめて…

「それにしてもさぁ、こうして男の子の駿をさぁ…
 改めて見るとさぁ…」

 かなりかわいい男の子になったわよねぇ…

「え?…」

「あ、ううん違うわねぇ…
 背もまた少し伸びたしさぁ…
 顔もますますかわいく、あ、いや…」

 綺麗になってきたみたい…

「え、綺麗って?…」

「うん、綺麗な男の子に…
 あ、いや、あれだわぁ…」

 きれ、カッコいい男の子に…

「綺麗で、カッコいい男の子になってきたわよねぇ…」

「えっ、きれカッコいいって?…」

「ほらぁ、ここ最近はさぁ、ウチに来ると直ぐにさぁ…
 女の子に…
 ううん、いや、直ぐにおちんちんのある女の子になってたからさぁ、気付かなかったけどさぁ…」

 駿はさぁ、綺麗でカッコよい男の子になってきてるわよねぇ…

「え、綺麗で……」

 綺麗でカッコよい男の子…

 葵さんはそう言ってきたんだ。

「だってさぁ…
 背もスラッと伸びてきてるし…」

 確かに最近、身長が伸びて170㎝位になっていた…

「それにさぁ、いつも女の子を意識していたからさぁ、肌もキレイでツルツルだしさぁ…」

 確かにニキビ予防は、葵さんに言われて丁寧に、慎重にやっていたから、ツルツルである…

「髪型だってぇ、カッコ良いしぃ…」

 そうなんだ、断然に、普通に男の子としての時間は長い訳だから、より男として意識する様にと、本来は伸ばしたいところを、刈り上げ気味で、ツンツン系のソフトモヒカン風に敢えてしていた…

「そしてぇ、スラッとして、爽やかだしさぁ… 
 綺麗だしぃ…
 それにい、勉強もさぁ…」



 


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